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zoom RSS ヴェルサイユ エリザベス・マシー著 小学館文庫:“こういう終わり方となります”

<<   作成日時 : 2017/03/31 12:47   >>

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CLAUDIO BAGLIONI NIPPON/クラウディオ・バリオーニ・ニッポン
記事執筆:Letterina

現在イギリスのBBCで放送中の歴史ドラマ「ヴェルサイユ」が
ノベライズとなって登場した。
ヴェルサイユ宮殿の建設を命じた、若き日の太陽王ルイ14世が
主人公である。
本編の8章で、ルイの弟フィリップがいみじくも語る通り、“ヴェルサイユ
宮殿は陰謀と、欺瞞と、不貞と堕落がうずまくところ”なのである。

歴史ドラマの見どころは、バランス良く虚実合わせた「史実に沿った
架空の物語」であろう。
実際の出来事なら巷にあふれる歴史書を参照すれば済むのであって、
(てっとり早くウィキペディアをのぞく手もある)実在の人物に架空の
人物を絡めたフィクションの部分の醍醐味がなにより重要だ。
このドラマでも、近衛隊長ファビアン、ベアトリスとソフィー親子、
悪役の貴族カッセル、モンクールと、架空のキャラクターを配し、
陰謀渦巻くフランス宮廷の愛憎物語が綴られている。

さて小説のほうなのだが、これがかなり難ありである。
実はこのドラマ、BBCで今現在放送中のため物語に
決着がついていない。
シリーズ1だけの記述で、小説のストーリーとして完結していない。
していないどころか、ラストのページを読めばわかるのだが、
明らかに継続する物語があるべきなのに、ばっさりと
終わっているのである。

これはいったい、どうなっているのか?
テレビ番組を見ていない日本人には全く納得できない内容である。
そもそもノベライズ自体ドラマを見た視聴者向けなのであろうから、
見ていない日本人読者には不親切極まりない。
出版社は続編ありきが前提でこの小説を刊行したのか?
だめもとで版元の小学館に、メールで問い合わせてみた。
ありがたいことに、ほんの数時間で(早い早い!)回答が届いた。
以下、メールの内容である。

“お問い合わせの件ですが、
内容が途中で終わっているわけではなく、
こういう終わり方となります。
ただ、本作はドラマのノベライズであり、
お読みいただいたものは「シーズン1」にあたる内容です。
本国ではすでにシーズン2も放送されておりますが、
シーズン2以降のノベライズを日本で刊行するかどうかは未定です”

こういう終わり方・・・・・・。
つまり出版社側としてはどんな内容であろうが、イギリス、アメリカ、
カナダでヒットしているドラマのノベライズなのだから、日本で先行出版
しても読者はついて来るだろうと踏んだわけなのだろうか?

出版社の編集者は本読みの人間に聞いてほしい。
「あなたは未完成の小説についてどう思いますか?」と。
わたしならこう答える。
「読む価値なし。」

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