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zoom RSS 暗い暗い森の中で ルース・ウェア著 ハヤカワ文庫:名女優の大舞台は森の中

<<   作成日時 : 2017/07/25 12:59   >>

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「観客は・・・観客はあっちさ」

女優が舞台の千秋楽に選んだのは森の中だった。
彼女の人生を彩る一世一代の大舞台。
彼女の付き人は女優のためにふさわしい配役を
決める。
作家、医師、弁護士、演出家。
芝居が始まっても、主役の俳優は登場しない。
そう、この脚本に俳優の出番はなかった。
みんなそう思っていた。
女優以外は。

ガラス張りの緞帳。
観客は生い茂る木々。
こうこうとライトに照らされた建物の部屋は、
息をひそめて外側から全て見渡せる。

付き人はかいがいしく女優の世話を買って出る。
それはもう、我が身を犠牲にしてでも女優のために
尽くす。
なぜなら、彼女は女優によって命を救われたから。
なんとしても女優に花道を歩かせる。
カーテンコールまで女優に寄り添う。
理不尽なことは何もない。
それが彼女の人生だから。

深い森の奥のため、携帯の電波は届かない。
始めは通じた居間の固定電話もいつの間にか
不通になっている。
外界との接触を断たれた役者達は極限の芝居を
演じる。

作家は記憶があやふやである。
なぜキャスティングになかった俳優が突然登場
したのか?
誰が台本を途中で書き換えたのか?

スポットライトは動き回る作家の上空を目まぐるしく
移動し、彼女の台詞が真実なのか虚偽なのか照らし
出だそうと努力している。
作家は脚本にない覆い隠された台詞を山ほど抱えている。
女優との確執、俳優との過去。

誰が虚構の台詞を語っているのか。
誰が真実を知っているのか。
女優は最後まで演じ切ることができるのか。
途中で舞台に穴をあけるのは誰か。
作家の記憶は定かなのか。

正義はなされるのか。

記事執筆:Letterina

早川書房のサイト
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013557/

ルース・ウェアのfacebook
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