Claudio Baglioni Nippon

アクセスカウンタ

zoom RSS クラウド・テロリスト ブライアン・フリーマントル著 新潮文庫:テロリズムより恐ろしいエゴイズム

<<   作成日時 : 2017/07/31 12:49   >>

トラックバック 0 / コメント 0

本書を読むのに向いているタイプを列挙しよう。
1 ブライアン・フリーマントルのファン
2 スパイ小説が好きな人
3 サイバーテロに興味がある人
残念ながらわたしは上記のどのタイプにも
属していない。
そしてフリーマントルの小説を読むのはこれが
初めてである。

この小説の主人公はNSAのジャック・アーヴァイン
とMI5のサリー・ハニングの2人だが、ストーリー
展開の主導権を握っているのはサリーである。
CIA、FBI、イギリスの諜報機関MI5、そして
あのエドワード・スノーデンが所属していたNSA
(国家安全保障局)の4つどもえの駆け引きが
物語の主軸である。

いや、実際は世界同時テロを計画している
イラン人のアルカイダリーダー、アル・アスワミー
をネット上で捕らえようと各諜報機関のメンバーが
四苦八苦している内容である。
白状するが、わたしには全く面白みが感じられない
作品だった。
なにしろ次から次へと出てくる登場人物たちの
台詞のやりとりが、ほとんど理解できなかった。
ラジオドラマの脚本のように言葉の応酬が
続き、その台詞の背景を物語る文章が書かれて
いないのである。

キャラクター達の饒舌なやり取りは作家の頭の
中のフィルターを通して活字となり、物語となり
読者の前に現れる。
本作はそのフィルターの目が相当荒かったのでは
ないか?
どれだけの読者がこの小説のディテールを完璧に
理解できただろう?
作家のひとりよがりな筆遣いに苦心惨憺しながら、
それでもなんとか最後まで読み終えた。
そして組織としてのテロより、個人のエゴのほうが
遥かに恐ろしいのだとこの小説から読み取った。
正しい解釈かどうか、はなはだ疑問であるが。

ひとつ付け加えておきたい。
本書には1978年に赤い旅団に誘拐、殺害された
イタリアの元首相アルド・モーロの孫で、イスラム教
に改宗しスペインのバスク地方に住んでいる
ジョヴァンニ・モーロという人物が出てくる。
(モーロ元首相にはジョヴァンニという名の1958年
生まれの息子がいる。)
元首相の暗殺事件の黒幕がCIAだとこの架空の
「孫のジョヴァンニ」に言わしめているが、現実には
モーロの政敵であった当時のアンドレオッティ政権下
で調査がうやむやになり、イタリアでは今もって真相
究明されていない未解決事件なのである。

記事執筆:Letterina

新潮社のサイト
http://www.shinchosha.co.jp/book/216566/

画像

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

クラウド・テロリスト ブライアン・フリーマントル著 新潮文庫:テロリズムより恐ろしいエゴイズム Claudio Baglioni Nippon/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる