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zoom RSS 怒り ジグムント・ミウォシェフスキ著 小学館文庫:このタイトル、読後感か。

<<   作成日時 : 2017/08/07 12:46   >>

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ポーランドのワルシャワからジグムント・
ミウォシェフスキと名乗る小説家が日出づる
国にやって来た。
それはそれは大きな風呂敷を担いでやって
来た。
今はもうない鉄のカーテンの向こう側から
やって来た。
彼の風呂敷の中身を一目見ようと、物見高い
見物人が集まった。

「さあさあ、お立ち合い。
わたくし、ポーランドのピエール・ルメートルこと、
ミウォシェフスキの手並みをご覧あれ。
主人公はポーランド一有名な検察官、テオドル・
シャツキ。
映画俳優のダニエル・クレイグよりもいい男です。
40代にしてすでに白髪頭ですけれどね。

ある日工事現場から白骨化した遺体が発見
されます。
第二次世界大戦中の戦没者の骨かと思いきや、
実はごく最近薬物処理をほどこされたことが
調査の結果判明します。
そしてその薬物、どうやら酸性のものらしい。
ね?ルメートル風でしょう?
“その女アレックス”のファンの方、きっとお気に
召しますよ。受け合います。

なぜ被害者はそんな手段で殺されたのか?
捜査が進むにつれ、加害者は連続殺人犯
らしいことが明らかになります。
そしてあろうことか、なんとシャツキ検察官の
愛娘、ヘレナが誘拐されてしまうのです!
“悲しみのイレーヌ”のスタイルですね、
お気づきになりましたか?
なにしろわたくし、ポーランドのルメートル
ですから。

ああそれから、わたくしが声を大にして申し
上げたいのは、肝心なのはラストの一行
ではなく、物語の始まりだということです。
全くあなたがた推理小説ファンは、馬鹿の
一つ覚えのように“ラストシーン、ラストシーン”
と声高に叫んでおられるが、・・・・・・おっと、
言葉が過ぎましたね。
失礼いたしました。
とにかく大切なのは<今>なのです。
カルペ・ディエム、“今を生きよ”です。

お集まりのみなさま、いかがです?
お代を頂戴してから、中身をお見せい
たしましょう。
そこのあなた、お支払いはもうお済みに?
図書館に借りに行く?
だめだめ、6か月は待たされますよ。
完全にブームに取り残されますよ。
ポーランドのルメートルですから、わたくしは。

さて代金を頂戴したみなさま、寄ってらっしゃい
見てらっしゃい。
よろしいですかな、風呂敷を開けますよ。
それではとくとご覧あれ!」

見物人たちは大風呂敷の中身を見ようと
われさきに駆け寄った。
だがそこには何もなかった。
彼らが期待した物は何もなかった。

ポーランドのワルシャワからやって来たジグムント・
ミウォシェフスキという男は、小説家を名乗る
稀代のペテン師であった。

記事執筆:Letterina

小学館のサイト
https://www.shogakukan.co.jp/books/09406372
https://www.shogakukan.co.jp/books/09406433

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