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zoom RSS 失踪人特捜部 忘れられた少女たち サラ・ブレーデル著 角川文庫:コップの中の大嵐

<<   作成日時 : 2017/09/13 12:44   >>

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「まったく・・・ここじゃ、何かえらくおかしいことが
起こっているぞ」

とにかく、せせこましいことこの上ない。
事件の捜査範囲、主人公の女性刑事ルイース
の人間関係。
物語が進むにつれ、話が広がるどころかどんどん
内に内にと収縮していく。
登場人物の多くはルイースの顔見知りであるし、
おまけに彼女が知らない聞き込みの相手は、
彼女の事を知っている。
事件の現場周辺は都合のよいことに彼女の
勝手知ったる場所であるし、登場する男性
捜査官のひとり、ミクはルイースのかつての
恋人である。
しかも彼女はコンビを組んだばかりの相棒、
アイクとあっさり男女の関係を結んでしまう。
恋のさや当ても、駆け引きも何もない。
色気のかけらすらないのだ。
(そもそも二人の間に恋愛感情があるのか?)

登場の仕方が型破りで、いったいどんな無頼漢
だろうと期待したアイクは、深みも面白みもない
人物であった。
唯一ルイースの友人で、元ジャーナリストの
カミラが気を吐いているが、私生活に関わる
大仕事が忙しく、本作品ではまだ本格的に
エンジンがかかっていない様子である。

既に世界中に刊行されているシリーズ小説の
一作品ということだが、本書に限って言えば
これを“最高傑作”と言い切ってしまうのは、
あまりにも早計だろう。
本国デンマークで、実際に起きた精神科療養所
での事件をモデルに書き起こした作品という
ことで、野心的なストーリーとして世の中に認め
られたということだろうが、高く評価するほどの
内容ではない。

それにしても、本書の帯の惹句のセンスの
無さにはあきれ果てて物も言えない。
最後の10ページはだいたいの場合、物語の
クライマックスだろうに。
驚くに値する描写があるのはあたりまえで、
わざわざそれを帯に書く必要があるのだろうか?
もし新刊の帯のキャッチコピーの出来不出来の
コンペがあるならば、今年のワーストワンは
まぎれもなくジグムント・ミウォシェフスキの
「怒り」(小学館文庫)だろうが、本書の“ラスト
10ページに驚愕!!!”もワースト上位に食い込み
そうだ。
ピントのぼけた帯の文章が、読者のひんしゅくを
買うこともあることを、担当編集者は肝に銘じて
おくべきだろう。

記事執筆:Letterina

角川書店のサイト
http://www.kadokawa.co.jp/product/321611000873/

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